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リノベーションの市場

2014年12月19日

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500,000,000,000,000円

 

お金の話をします。

このページでの話なので建築がらみの話です。

 

上の数字はなんだか分かりまか?その前にいくらだかゼロを数えないと分かりませんね。

500兆円です。

 

この額は日本の住宅投資額累計と住宅資産額の差額です。沢山のお金をかけて家を作っても資産としてストックされず500兆円もの価値が失われていっていることになります。

 

これは国交省が進める「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」の報告です。

 

ちなみに米国では住宅が資産としてストックされるのでこの数字はほとんど一致しています。

 

Web

図表1:日本の住宅投資額累計と住宅資産額の差額

「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」参考資料よりイメージ化しています。

 

なぜ、このような数字が積み上がっていくのか?

 

「木造の戸建て住宅は20年で価値がゼロになる」という話を聞いたことがあると思います。

 

中古住宅の建物評価において流通市場サイドと担保評価する金融サイドの2つの目線があり、流通市場サイドは「金融サイドが担保評価をしてくれないので、思う様な価格をつけられない。」と言い、一方で金融サイドは「流通市場サイドが相応の価格をつけないので十分な評価ができない。」と負のスパイラルが生じて、あるべき価値が評価されないできた結果です。

 

500兆円もの価値が失われたといっても、制度上のものであって実際の価値が失われているのではありません。

 

そこで、その価値をしっかり見直そうという、建物評価の改善をポイントに「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」が開かれているのです。政府は2020年には中古市場規模を10年で2倍の20兆円に拡大させる目標を掲げているので、価値ある物を評価して流通しやすくする制度は整えられていくものと思われます。

 

ここまでは中古市場の大きな流れの話でしたが、分かりやすく個人の視点で話をしてみます。

 

図表2はある人が30代で土地と新築建物を購入したとして、その後の土地、建物価値評価の推移を表しています。上図が現状で下図は建物評価が改善された場合の将来像になります。

Web

図表2:中古住宅流通市場活性化が目指す住宅市場の将来像

「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」参考資料よりイメージ化しています。

 

上図は購入後20年経って50代になった時に建物の価値はゼロになり、土地の価値のみが評価されます。これでは住み替えをしようと思っても建物が資産として活用できません。また、土地代しか担保にならない為に、後期高齢者になりサービス付高齢者住宅への入居を希望しても他に資産が無ければ住み替え資金が不足する可能性があります。

一方、下図では50代のタイミングで家族構成やライフスタイルの変化がおきた場合でも、売却して住み替えたり、リノベーションしたりするなどで建物の価値を再度上げることができます。後期高齢者になった際にも、土地+建物が担保になる為にリバースモゲージを利用したり、売却をして住み替えや生活資金にしたりすることができ選択肢が広がります。

躯体の劣化をとっても経年的にそのリスクが上がるなど評価基準を定めるのは難しいとは思いますが、評価手法が確立すれば住む側の選択肢が広がりライフスタイルの多様化につながりるので、早期に制度が確立することを期待しています。

 

 

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M-Loft:築22年の住宅のリノベーション   Photo:Toshiyuki Yano

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